どんな脂質が体に良いの?? ~あぶらと美容&健康vo.2~

難易度 :

一口に脂質と言っても、種類は様々。
体内で合成される脂質もあれば、食べ物から摂らなければならない脂質もあります。
今回は食べ物から摂る脂質についてお話しします。

『脂』と『油』の違い

『あぶら』を意味する漢字に2種類ある事を皆さんはご存知でしたか?この2種類の漢字にはちゃんと意味があるのです。

:常温で置いた時に固体の状態。(常温でも溶けない)
例…バター、マーガリン、牛脂、ラードなど。主に飽和脂肪酸(※)を多く含む

:常温で置いた時に液体の状態。
例…オリーブオイル、ごま油、サラダ油など。主に不飽和脂肪酸(※)を多く含む

この2種類に分けられる脂質は含まれている成分も異なり、細かく見ていくと体に与える影響も様々です。

(※)飽和脂肪酸:悪玉(LDL)コレステロールを増加させ、肥満や脂質異常症などの生活習慣病のリスクを高くする。
(※)不飽和脂肪酸:善玉(HDL)コレステロールを増加させ、肥満や脂質異常症などの生活習慣病の予防効果がある。

今流行っている油は本当に体に良いの??

ごま油・オリーブオイルから始まって、今は様々な油が流行っていますね(*^-^*)
そんな油について、実際にどんな効果があるのか紹介します。

ココナッツオイル

飽和脂肪酸を多く含むが、バターやラードと違いダイエット効果のある脂。
その理由は…ココナッツオイルに含まれる脂の質の違い!!

・中鎖脂肪酸:ココナッツオイルを構成している脂質の一つ。
すぐ体内に吸収され肝臓で分解されエネルギーに変わるので、脂肪として体に蓄積されないのです。
更に、中鎖脂肪酸には悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やしてくれる効果もあります

・ラウリン酸:母乳にも含まれる脂質で免疫力を高める効果がある。
また、腸内の善玉菌を活性化させるので腸内がキレイになり腸内美人に!栄養の吸収も良くなります。
※ココナッツオイルはバージンココナッツオイルを使うと更に効果が期待できる。

オリーブオイル

食べ物からしか摂取できない『オレイン酸』が豊富!
オレイン酸のすごいところは、悪玉コレステロールを下げてくれる効果があるだけでなく、善玉コレステロールは下げない!というところ。(通常、コレステロールを下げる作用がある食材は、両方のコレステロールを下げる働きをします)
また、胃酸の働きを調整したり便秘を解消してくれる効果があります。
※オリーブオイルは2種類あり、生食用のエキストラバージンオリーブオイルと加熱用のピュアオリーブオイルがあります。

亜麻仁(あまに)油

話題のオメガ3がたくさん含まれている。
☆オメガ3とは…魚油やオリーブオイルに含まれるオレイン酸同様、食べ物でしか摂ることのできない『α-リノレン酸』(アルファーリノレンサン)を含む脂質の一種。

亜麻仁油にはα-リノレン酸が豊富に含まれている。
α-リノレン酸は人間の細胞膜を構成している成分の一つで、お肌のハリや潤いを維持する効果がある。
また、体の中に入るとDHA・EPA(※)に変化し、血液サラサラ効果や認知症の予防になると言われています。

(※)DHA:青魚に多く含まれ、神経組織や脳細胞に多い。脳の発達にも一役かっている。
(※)EPA:魚に多く含まれ。血液が固まるのを防ぎ、善玉コレステロールを増やす。

海外では使用禁止にする方針にも!!トランス脂肪酸って一体何??

トランス脂肪酸とは…

液体油を固形または半固形脂に製造する際にできる脂質の一種。(マーガリン・ファットスプレッド・ショートニングなどに多く含まれる。)
また、液体油の臭み消しとして高温処理する際にも生成されます。

トランス脂肪酸は何がいけないの?

トランス脂肪酸をたくさん摂り過ぎると虚血性心疾患や動脈硬化など、心臓や血管系の病気のリスクを高くします。(牛乳や乳製品など自然に含まれている物もあります。)
日本では欧米に比べるとトランス脂肪酸の摂取量は少ないとされ、表示義務は設けられていませんが、普段使っている食品のあちらこちらに含まれています。
油を買う時は、原材料の表示を良く見て、原材料名がなるべくシンプルなものを選ぶことをおススメします。

賢く選んで、健康も美容もケアしよう

どんな油脂(あぶら)を選ぶかは自分次第!
質の良い油を摂って、お肌も体も健康な状態を保ちましょう☆

執筆者:みずえ
30代の管理栄養士。好きな食べ物は野菜とお魚。

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