夏バテ予防食材は本当に効果あり?!

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今年の夏も暑かったですし、まだまだ暑さは続きそうですね。暑さやエアコンの寒さで、体調を崩していないですか??
この時期、テレビや雑誌などで良く目にするのが夏バテ予防食材の特集。今回は、良く聞く夏バテ予防食材とその効果ついて説明します。

よく聞く夏バテ予防食材一覧

食材夏バテ予防の栄養素
ウナギビタミンA・B群・C・D・DHA・EPA・鉄分
豚肉ビタミンB群
山芋ムチン
オクラムチン・ビタミンC
納豆ムチン・ビタミンB群
ゴーヤービタミンC
梅干しクエン酸

知っておきたい栄養素の働き

夏バテ予防食材に含まれる栄養素で多いのがビタミンB群・ビタミンC・ムチン・クエン酸。
それぞれどんな働きをしてくれるのか見てみましょう。

ビタミンB群

『群』と付くくらいなので様々な種類があり、その働きも微妙に違っていますが、主にエネルギーを作り出す役割りを担っていて、お互いに補完し合いながら働きます。
夏バテ予防に特に効果的なのが B1
B1はご飯やパン・麺類などの糖質を摂取した時に、体の中でエネルギーに変えるのを助ける働きをします。

夏場はツルッと食べやすいそうめんなどの麺類やアイスクリームや清涼飲料水などで糖質を摂取する機会が多い季節です。
糖質を素早くエネルギーに変えてくれる働きをするビタミンB1は、夏は特にたくさん必要な栄養素です。
また、早くエネルギー補給が出来るので疲労回復にも効果があり、ニンニクなどに含まれるアリシンと一緒に摂るとより体内への吸収が良くなります。
【多く含む食品】
豚肉・うなぎ・玄米・全粒粉パンなど

※この他に…
B2:主に脂質をエネルギーに変えるのを助ける働き。うなぎ・納豆・レバー・牛乳などに多い。
B6:主にたんぱく質をエネルギーに変えるのを助ける働き。マグロ・青魚・牛肉・卵・バナナなどに多い。

ビタミンC

美肌効果などでよく知られるビタミンの一つ。体の中では免疫を高めてくれる働きをしてくれるので、夏バテで弱った体を風邪や感染症から守ってくれる働きをします。
また、ビタミンCはストレスが溜まると消費量が急増します。暑い季節は体温が上がるだけで体にはストレスがかかります。
更にそのストレスが胃腸の働きを弱めてしまい、食欲不振から夏バテを亢進させてしまうので、ビタミンCをしっかり補給してストレスに強い体を内面から作ってあげましょう。

【多く含む食品】
柑橘類・芋類など

ムチン

水溶性食物繊維の一種で、山芋やオクラなどのネバネバの原因はムチンです。
ムチンは胃粘膜を保護する役割がるので、弱った消化管を守ってくれます。また、唾液や胃液にも含まれたんぱく質の分解を促進するので、お肉や魚を食べた時に無駄なく体の中に栄養として吸収できるだけでなく、消化不良の予防にもなります。
※ムチンは熱に弱いので、高温で加熱して食べると効果はあまり期待できないので注意しましょう!!

【多く含む食品】
山芋・オクラ・納豆・モロヘイヤ

クエン酸

疲れたなぁ…と感じる時、体内では血液が酸性に傾きある物質が蓄積されています。
その疲れの原因物質が『乳酸』です。クエン酸は乳酸を分解し、酸性に傾いた血液を中性に戻してくれる働きがあるので、疲労回復効果がありと言われています。
また、酸味を構成する成分の一つで食欲増進にも効果があるため、食欲不振の時にはクエン酸を多く含む食品を取り入れるようにしましょう。

【多く含む食品】
柑橘類・お酢・梅干し

※ウナギと梅干しは良くない食べ合わせ!これってホント?!
ある意味都市伝説のように言われていますが、このウワサは実は… 『ウソ』 です。
ウナギに含まれるビタミンB1、梅干しに含まれるクエン酸。どちらも疲労回復に役立ち夏バテ予防の効果がありますね。
更に、梅干しの酸味が胃酸の分泌を促進してウナギに含まれる脂質の消化を助けてくれ消化不良や胃もたれを軽減してくれるるので、むしろ理想的な食べ合わせとも言われています。

最後に…

夏バテ予防に効果的な食べ物は他にもたくさんあります。
旬の野菜や果物はその時期に必要な栄養をたっぷり含んでいるので、旬の食材を食べるのも効果があります。

しかし、一番大切なのはバランスよく食べる事。ウナギが夏バテ予防に効果があるからと言って、そればかり食べていても効果はありません。
主食・主菜・副菜を揃えて食べる中での食材選びの参考にしていただいて、暑い夏を乗り切りましょう。

執筆者:みずえ
30代の管理栄養士。好きな食べ物は野菜とお魚。

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