水分補給、ちゃんと出来てる?

難易度 :

「脱水」と聞くとなんとなく暑い夏のイメージですが、実は冬でも起こりやすい症状。こまめな水分補給を1年通して続けていくことが脱水予防のポイントです。
しかし、ひとくくりに水分補給と言っても脱水のタイプ別で飲み物の種類は違ってきます。また、何を飲んだらよい?どれくらい飲んだらよい?など知っているようで細かい部分までは知らないことが多いのです。今回はそんな水分補給について説明します。

意外と知らない脱水の種類

人間は約60%が水分で出来ていて、1日に体の外に出る水と入る水の量が同じになるようにバランスが取れています。脱水とは、なんらかの原因で体内の水分量が不足しバランスが崩れた状態の事。原因によって大きく3種類に分けられます。

高張性脱水(水欠乏型脱水)

原因:水分摂取量の不足、高温や発熱による大量発汗、尿崩症(腎機能の問題)
対策:水やお茶をこまめに飲む
備考:のどの渇きは中~強。高齢者や子どもなど喉の渇きを感じにくかったり、自分で水分摂取が出来ない場合に多い

低張性脱水(ナトリウム欠乏型脱水)

原因:下痢、嘔吐などによる消化液の喪失、大量発汗、その他ナトリウム喪失性の疾患(腎疾患、心不全、薬剤性など)
対策:水分と共にナトリウムも補給。スポーツドリンク、経口補水液や点滴管理
備考:喉の渇きはほぼ無い。原因に病気がある

等張性脱水(混合型脱水)

原因:水欠乏型とナトリウム欠乏型の中間。夏場に多い脱水
対策:水分と共にナトリウムも補給。こまめに水、お茶を飲む。たくさん汗をかいた時はスポーツドリンク等
備考:のどの渇きは軽~中

※どのタイプも重症化すればまずは病院を受診し点滴を。

脱水予防の正しい水分補給

1日で摂る水分の目安は約2~2.5リットル。皮膚や呼気からの蒸発で約1リットルは無意識に体外に出ているので最低でも約1リットルは必要です。

3食ちゃんと食事をとる

水分は飲み物だけでなく食事にも含まれます。3食きちんと食べることで約1リットルの水分が補給できます。また、必要な栄養をしっかり蓄えておくことで体内の水分量が保持できるので、万が一に備えての脱水予防にもなります。

お刺身を食べる時に小皿に醤油を出してつけて食べるのと同じように、ソースやドレッシングも別皿に出してつけて食べたり小スプーンを使ってかけるなど、必要以上にかけ過ぎないようにしましょう。

食事以外でもこまめに水分を。がぶ飲みは禁物!

食事の時にお茶や水を飲むだけでなく、10時や15時の間食、起床時やお風呂上り・寝る前などにコップ1杯(150~200ml)を目安に飲むにしましょう。また、外出時は水筒やペットボトルなどを持ち歩くようにすると汗をかいた分の水分を補給することができます。 ポイントはあくまでもこまめに少しずつ飲むこと。がぶ飲みしても体に保持できる水分量に限界があるので、一気に飲むと余分な水分は体外へ出てしまうだけ。また、急な水分摂取は心臓や腎臓にも負担をかけてしまいます。

飲み物の選び方はますはお水かお茶

水分補給といえば経口補水液やスポーツドリンクをイメージする方も多いかもしれませんが、それはあくまでもスポーツ等で大量に汗をかいたり下痢や嘔吐、重度の脱水の場合のみ。普段の水分補給はお水で十分です。もちろんお茶でも◎。お茶の成分であるカフェインが吸収を遅らせる場合もありますが、体内にある程度水分が保たれている場合であればさほど問題はないと考えられています。気になる方はノンカフェインのお茶を選ぶと良いでしょう。夏場は汗と一緒にミネラルも出てしまう為、ミネラル分を多く含む麦茶がお勧めです。

毎日のこころがけで簡単に脱水は予防できます。喉が渇いていなくても一口水分を摂る習慣を身につけていきましょう。

執筆者:みずえ
30代の管理栄養士。好きな食べ物は野菜とお魚。

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