肥満・メタボの食事ケアポイント
肥満やメタボのケアポイントは、「脂質を控えてエネルギーをとりすぎない」「体脂肪や体重などを適正値に抑える」ことです。
食事の組み合わせや食べる時間などに気を配りながら、運動などにより体脂肪・体重を落としていくことも大切です。
一般的には糖尿病の食事ケアと似ていて、特に脂肪を控えて良質なたんぱく質をとることがポイントです。
肥満とメタボは違う?
肥満とメタボは違うものです。また「体重が重い」=「肥満」でもありません。
「肥満」は、体脂肪が基準よりも多くなっている状態です。
BMIという数値を使って測定することが多く、体重(kg)÷(身長×身長)で求めます。
18歳~49歳までは18.5~24.9、50歳~69歳までは20.0~24.9の間が適正とされ、この数値を超えるといわゆる肥満です。
メタボは、正式名称をメタボリックシンドロームといい、内臓脂肪が多くなった状態に加え、糖尿病・高血圧・高脂血症のうち2つ以上に当てはまる場合に診断されます。
メタボの診断
必須項目 | ||
ウエスト径 | 男性 | ≧85cm |
女性 | ≧90cm | |
以下から2つ以上 | ||
脂質系 | 中性脂肪 | ≧150mg/dL |
HDLコレステロール | <40mg/dL | |
血圧系 | 収縮期血圧/上 | ≧130mmHg |
拡張期血圧/下 | ≧85mmHg | |
血糖系 | 空腹時血糖 | ≧110mg/dL |
なぜ肥満やメタボが問題?
肥満やメタボにより体脂肪や体重が増えている時、身体の中では関わる様々な障害が起きています。
糖や脂肪がうまく分解出来ないなどの、代謝系の障害。
心臓や血管に脂肪が沈着して心筋梗塞や高血圧を招く、循環器系の障害。
膝や腰に負担が掛かって炎症などを起こす、機能系の障害。(最近ではロコモとも呼ばれています)
また女性では月経不順になったりと、様々な障害を起こしてしまいます。
自分に必要なエネルギー量を知ろう
1人1人の身長や体重・日々の動く量などによって、1日に必要なエネルギーの量は変わります。
簡単な計算方法として、以下の「基礎代謝」×「1日の活動量」でも求めることができます。
以下の数値は一般的な人の基準値で、肥満やメタボが進んで治療の段階になってしまうと、さらに少ないエネルギーに制限されてしまいます。
外食続きの人は、ここで計算した数字よりも多くとりすぎていないか、チェックしてみましょう。
基礎代謝量
女性 | 男性 | |
年齢 | 基礎代謝量 (kcal/日) | 基礎代謝量 (kcal/日) |
18~29歳 | 1110 | 1520 |
30~49歳 | 1150 | 1530 |
50~69歳 | 1110 | 1400 |
70歳~ | 1020 | 1290 |
活動量(正式名称:身体活動レベル)
年齢 | 低い※ | ふつう※ | 高い※ |
18~29歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30~49歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50~69歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
70歳~ | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
※低い:1日中ほとんど座っていて、あまり動かないケース
※ふつう:仕事中は座っていることが多いが、職場内での移動や接客、通勤、家事、軽いスポーツを行っているケース
※高い:立ち仕事や歩き回ることが多く、習慣的に活発にスポーツを行っているケース
エネルギーだけでなく、内訳にも気を配って
例えばラーメン1杯も、ご飯・味噌汁・焼き魚・小鉢の献立も、同じエネルギー(カロリー)かもしれません。
肥満やメタボのケアでは、「糖質・脂質は控えめに」「良質なたんぱく質をとる」「ビタミン・食物繊維を多くとる」ことがポイントです。
ご飯がどうしても好きという人は1食は玄米ご飯にしてみる、肉の脂身は控えて赤身を多く食べる…などの食事ケアが大切です。
また、急激に血糖値を上げるような食べ方も好ましくなく、血糖値の激しい上下は糖尿病を引き起こす原因にもなってしまいます。
サラダや煮物などの食物繊維を多く含むものから食べ始める、炭酸飲料や清涼飲料はお茶やお水に替えてみるなど、できることから少しずつ意識してみましょう。