糖尿病の食事ケアポイント
糖尿病の状態は、すい臓から分泌されるインスリンが上手く働かなかったり、すい臓が疲れてしまってインスリン自体の量が減っている状態です。
糖尿病ケアのポイントは、「必要以上のエネルギーを摂らずにすい臓を休ませる」「血液中の糖を細胞に取り込ませる」の2つです。
血液中の糖がきちんと細胞に取り込まれると、自然と血糖値は下がっていきます。
糖を細胞に取り込ませるには通常インスリンの働きが必要ですが、有酸素運動をしたときにも糖が取り込まれることが分かってきているので、医師の指導の元、体重や体格に合った運動を行うこともオススメします。
そもそも糖尿病って?
糖尿病とは、本来筋肉や骨などの細胞に取り込まれる糖(ブドウ糖)が取り込まれず、血液中にあふれ出している状態です。
糖が細胞に取り込まれるには「インスリン」という、すい臓から分泌されるホルモンが必要ですが、長年の生活習慣によりインスリンの分泌量が低下してしまったり、インスリンが上手く働かなくなっている期間が続くと、糖尿病になってしまいます。
具体的な診断は、お腹を空かせている状態で血糖値(血液中の糖の量)を測り、109mg/dl以上だと境界型(糖尿病予備軍)、126mg/dl以上だと糖尿病となります。
もう1つ、糖尿病の診断に使われるのはHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)というものです。
HbA1cは過去1~2ヶ月の血糖量を調べることが出来るもので、この値が6.5%以上の場合も糖尿病と診断されます。
なぜ糖尿病が問題?
基本的に糖尿病は、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。
血糖値が長い間高止まりしている状態が続くと、疲れやすくなったり、よく喉が渇くようになりますが、あまり気に留めないケースが多いようです。
血管の中に必要以上の糖があると、身体のあちこちの毛細血管を傷つけたり詰まらせたりしてしまいます。
特に目や腎臓・神経系の毛細血管が詰まりやすく、糖尿病の3大合併症として「糖尿病性腎症」「糖尿病性網膜症」「神経障害」が挙げられます。
自分に必要なエネルギーの量は?
1人1人の身長や体重、日々の動く量(身体活動量)などによって、1日に必要なエネルギーの量は変わります。
計算方法は、「基礎代謝量」×「1日の活動量」で求めます。
基礎代謝量
女性 | 男性 | |
年齢 | ||
18~29歳 | 1110kcal | 1520kcal |
30~49歳 | 1150kcal | 1530kcal |
50~69歳 | 1110kcal | 1400kcal |
70歳~ | 1020kcal | 1290kcal |
活動量(正式名称:身体活動レベル)
低い※ | ふつう※ | 高い※ | |
年齢 | |||
18~29歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30~49歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50~69歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
70歳~ | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
※低い…1日中ほとんど座っていて、あまり動かないケース
※ふつう…仕事中は座っていることが多いが、職場内での移動や接客、通勤、家事、軽いスポーツを行っているケース
※高い…立ち仕事や歩き回ることが多く、習慣的に活発なスポーツを行っているケース
上手に血糖コントロールを
糖尿病の場合、血糖値を低くキープすることが大切ですが、糖尿病の方もそうでない方も、普段から血糖値の急激な上下はあまり良くありません。
食事と食事の間が開きすぎた後にドカ食いをしたり、食事を抜いてしまう事はなるべく避けましょう。
また眠気覚ましや栄養補充とうたったドリンク剤も、糖が多く入っている事が多いので、飲み過ぎには要注意です。
他にも定食などを食べる場合にはご飯からではなく煮物やサラダから食べる、日頃からこまめに体を動かす、など、できる事から少しずつ血糖コントロールを意識してみましょう。