高血圧の食事ケアポイント
高血圧は血管に必要以上の圧がかかっている状態で、長く血圧が高い状態が続くと血管が傷つき、破裂しやすくなってしまいます。
血圧の上げ下げに大きく関わっている「塩分」と「カリウム」を知り、上手に食事を組み立てていくことがポイントです。
また外食時などには成分表示をこまめにチェックし、どの位塩分が含まれているかを知ることも大切です。
そもそも高血圧って?
高血圧とは、血管にかかる内側からの圧力が、長期にわたって高くなっている状態です。
原因は様々で、血管が細くなっていたり硬くなっていたり、また喫煙やストレス・ホルモンによるものなど、何か1つの原因で起きるものではないと言われています。
高血圧の診断には、「収縮期血圧」と「拡張期血圧」の2つの値を使います。
心臓がぎゅっと縮まって身体中に血液を送り出すときが最も血圧が高く、この時の血圧を「収縮期血圧」、心臓が元に戻った時の血圧を「拡張期血圧」と呼びます。
数値としては「収縮期血圧」>「拡張期血圧」となり、分かりやすく「上」、「下」と呼ぶこともあります。
診断は下の表の通りです。
高血圧の診断分類
至適血圧 | 120以下 | かつ | 80以下 |
正常血圧 | 120~129 | かつ または | 80~84 |
正常高値血圧 | 130~139 | かつ または | 85~89 |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | かつ または | 90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | かつ または | 100~109 |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | かつ または | 110以上 |
※収縮期高血圧 | 140以上 | かつ | 90以下 |
※収縮期高血圧は生活習慣病ではなく、高齢者に多い独立型とされています。
なぜ高血圧が問題?
基本的に高血圧は、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。
ですが血圧が高い状態が長く続くと、心臓や血管が肥大したり、動脈硬化を引き起こしたりします。
高い圧によって傷つけられたり、もろくなっている血管は破裂しやすく、最悪のケースでは脳梗塞や心筋梗塞、脳出血などを引き起こしてしまいます。
血圧を下げるためのポイントは、「食塩を控える」「食塩を体外に出すカリウムを多くとる」「ストレスや喫煙を減らす」「こまめに運動を行う」などです。
特に食事でケアすることが出来るのは、「食塩を控えること」と「カリウムを意識してとる」こと。
どんな食材や食事に、どの位塩分やカリウムが含まれているのかを知り、上手に活用していきましょう。
血圧を上げる塩分
日本食には醤油や味噌など、塩分を多く含む調味料を使った食事が多く登場します。
1日にとりたい塩分の量は7~8g。
あくまで目安ですが、外食時のラーメンは汁まで飲むと約7g、親子丼や天丼には約5gの塩分が含まれています。
外食時にはなるべく味の薄いものを選んだり、つゆを残すようにしましょう。
自宅でメニューを組み立てる時にはこまめに分量をはかり、スパイスや出汁などを上手く活用しながら、薄い塩分でも美味しく食べられるコツを身につけましょう。
成分表のナトリウムは塩分何g?
包装して売られているお弁当やスナック類などには栄養成分表示として、100gあたりや1袋あたり、エネルギーやたんぱく質などがどの位含まれているか書いてあります。
その中で注目したいのはナトリウム。
ナトリウムが393mgで食塩1g相当と計算しますので、「ナトリウム400mg=塩1g」と考えると覚えやすいです。
外食などの時には、ぜひチェックして選ぶようにしてみて下さい。
血圧を下げるカリウム
血圧を上げる塩分(ナトリウム)を身体の外に出し、血圧を下げる作用が認められているのがカリウムです。
ナトリウムとカリウムは身体の中で絶妙な均衡状態を保っていて、片方が増えすぎると他方がそれを抑えるという働きをみせます。
塩分として日本人がとるナトリウムの量は世界的に見ても多く、特に日々外食をしている方や味の濃いものが好きな方は、知らず知らずのうちにナトリウムをとりすぎてしまっています。
血圧を上げる要因であるナトリウムをとる量を減らし(減塩の食事)、さらにカリウムを意識してとることで、さらに血圧のコントロールをしていきましょう。
カリウムが多く含まれている食材はアボカド・ひじき・バナナ・ほうれん草…などなど。
カリウムは水に溶けやすいので、スープにしたりして煮汁ごと食べられるように工夫することがポイントです。
ただし腎臓の機能が低下している方は、医師への相談・指導の元に食事内容を組み立てるようにしましょう。
食事ケアと平行して行いたいケア
血圧を下げるためにもっとも効果が高いのは、食べる塩の量を減らすことです。
それに加え、禁煙や節酒、適度な運動も効果があります。(運動中は必ず血圧が上がるので、医師の指導の元に行うようにして下さい)
他にも強いストレスや急激な温度変化なども血圧を上げる要因になっていますので、日常の生活を見直してみることもポイントです。